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今求められているのは「アクティビスト」。トップスタイリストが思う現在のWebメディアのあり方とは air GROUP 木村直人氏

Webマーケティング総合サイト『ferret』と、総合転職情報サイト『マイナビ転職』が協同で立ち上げた、未来の若手マーケターを応援するサイト「Marketer’s Story(マーケターズ ストーリー)」。

こちらでは、現在『成長する企業』『注目を集めるサービス(プロジェクト)』で活躍するマーケターのインタビューをご紹介。具体的な業務内容や取り組み、普段垣間見えないパーソナルな部分を”生の声”としてユーザーに届けることで素顔に迫ります。

第8回目は、有名芸能人やモデルが利用するトップヘアサロン「air」と「LOVEST」、ママとお子様専用サロン「FP Salon」、そのほかネイルやエステなどの店舗も展開するトータルビューティを手がけるair GROUPの美容師兼ディレクターである木村直人氏にご登場いただきました。月間200万PVを誇る個人ブログだけではなく、air GROUPのWebマーケティング全体を統括し、加えてオンラインサロンやメディアの編集長、そしてさまざまなメディアへの寄稿など、精力的に活動する木村氏に、これまでの経歴とair GROUPでの活動、そして現在と未来についてお話を伺いました。

両親の職業である「美容師」を選択し、地元岡山から東京へ。トップスタイリストながらグループ全般のマーケティングを担当

 

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◆ferret編集部(以下、ferret) トップスタイリストだけではなく、さまざまな方面で活躍されている木村さんですが、どうして美容師という道を目指したのですか?

◆air GROUP 木村直人氏(以下、木村氏) 高校までは、将来についてあまり考えたことがなかったんですよね。両親が美容室をやっていましたが、どちらかというと警察官や弁護士、医者のような仕事に就きたいと考えていました。しかし、それほど勉強していたわけではなかったんです(笑)。

地元岡山から東京に出たいという気持ちがあったので、結局両親と同じ美容師という道を選び、原宿のサロンに就職しました。その後別なサロンに再就職して実践経験を積んで、airに入社しました。

◆ferret airでは美容師として現場で働くほかに、どのようなお仕事をされているんですか?

◆木村氏 現在はコーポレートディレクターという立場になっています
わかりやすく言えば、会社の経営層に近い立場でして、美容師として現場に立つほか、商品開発やそのプロモーション関連、人材と用など、会社にまつわることはなんでもやっているという感じです。要はair GROUPの認知度向上や集客関連のことを全般的にやっています。

お客様へのアフターフォローから始まった月間200万PVの個人ブログ。その情報発信力を買われてオウンドメディアの運営担当に


◆ferret 木村さんといえば、月間200万PVの個人ブログ「naotokimura.tokyo」が有名ですが、このブログを始めたきっかけというのは?

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▲木村氏のオウンドメディアは月間200万PVを超える(同サイトより引用)

◆木村氏 ブログを始めたのは約8年前ですね。当時すでに多数のお客様が来店してくれていました。しかし、自分の技術不足で満足のいくサロンワークができていなかったと反省していました。

そういった部分のアフターフォローなどをできたらいいなという考えから、ブログを始めました。簡単に言えば「贖罪」の気持ちから始めたという感じです。

◆ferret 月間200万PVというのは、個人ブログとしては驚異的な数字だと思います。何か気をつけていらっしゃることはあるんですか?

◆木村氏 ほかのものと比較しないということですね。類似商品がある場合には、比較したほうがわかりやすいことも多いのですが、一方を落としてしまうことになります。それはやりたくない。

あとは自己完結すること。この商品がいいですよ、とオススメしているわけではなく、使ってみた自分自身の感想を書いています。どこで買えるのかとか、商品情報はオフィシャルなものを引用して、あとは自分で使ってみてこう思いましたという感じです。

◆ferret 自己完結することの理由とは?

◆木村氏 誰かに見てもらいたくて書いているわけではないんです。ログとして残しているという感覚です。読みたければ勝手に読んでくださいというスタンスですね。それに、僕はairに所属する会社員なので、airに悪い印象を与えるようなことは嫌だという気持ちがあり、なるべくフラットになんでも書くようにしています。

◆ferret そのようなブログでの活動があって、社内でのプロモーションなどの関わるようになったのでしょうか。

◆木村氏 特に会社から言われたということはありません。個人でブログをやっていて、その情報発信力が注目されるようになると、いろいろなところからこの商品を試してほしいとか検証してもらいたいといった声がかかるようになったので、やっていたという感じです。

その後、air GROUPでIT事業部が立ち上がったときに管理する立場を与えられたので、そちらもやることになりました。現在は、air GROUPのオウンドメディアの運営も担当しています。

オウンドメディア運営で一番大事なことは「継続性」。実績のある人が責任者になれば予算も取りやすくなる


◆ferret 現在、オウンドメディアをやろう、もしくはやっているという会社が増えています。そのほとんどがセルフブランディングが目的だと思うのですが、木村さんがオウンドメディアを運営する上で大事にしていることは何でしょうか。

◆木村氏 一番大事なことは継続性だと思っています。必ず毎日記事を出して循環させること。それができていないところが多いように感じます。僕は、ブログを始めてから1日も記事更新を欠かしたことがありません。うちの場合は、20人くらい部下がいるんですが、無理はさせません。順番で原稿を書いていけば、一人の負担は軽くなります。20日に1回、記事を書けばいいわけですから。無理のない範囲でルーティン化させれば継続できます。

あとは予算ですね。ほとんどの企業は、効果が実感できないものに対して予算を出すことを渋るところが多い。先ほどの継続性も、お金があれば実現できるんです。社内で難しければお金をかけて外部に発注すればいいわけです。

◆ferret 会社としては認知度を高めたいと思っていても、なかなか予算を計上できないといところも多いと思います。

◆木村氏 それは実績のある人がいないからではないでしょうか。僕の場合、個人ブログでそれなりのPVがあり、それが集客につながったり商品が売れたりという実績があり、自社のオウンドメディアも成功させている。そんな僕が、予算が欲しいとお願いをすれば通りますよね。

そういう意味でどうしたらいいかというと、自分が育つか、部下を育てるか、あとは外部のコンサルタントなどにお願いする、実績のある人を雇用するということになってくるでしょう。あくまでも本気で成功させたい場合ですけど。

そして、投資を最小限に抑えたフェーズで結果を出して、次の投資フェーズで一気に仕掛けるといった長期的な展望も必要になると思います。そういった結果を出していくことで、予算の申請も通りやすくなるのではないでしょうか。

今一番求められている人材は、インフルエンサーやマーケターではない。現場を統率できる「アクティビスト」

 

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◆ferret 先ほどのお話で、ブログを1日も欠かさず更新するというお話がありましたが、それを8年間ずっと行えるという人は極めて稀ですよね。

◆木村氏 習慣化させることが強さだと思っているので。そういう強みを自分のなかに作っておかないと、人を納得させることができません。途中でいい加減なところを見せてしまったり、空白の期間を作ってしまうとダメなんですよ。

◆ferret 個人的に、常々Webコンテンツというのものは定期的に動いていないといけないと思っています。その点においては、木村さんが毎日ブログを更新するというのはもっとも理想的なことだと思います。

◆木村氏 今、一番求められている人材というのは、インフルエンサーやマーケターだけではなく、コンテンツを稼働させることができる人じゃないでしょうか。なんて呼べばいいんでしょうね。アクティビストとでも言うんでしょうか。

現場を統率して、気持ちよくライターに原稿を書かせられる人が必要なんだと思います。自分がやっていることは、そういうことなのかもしれないですね。

その代わり、自分に実力が伴っていないと誰もついてきてくれない。自分も成長していきながら、ともに進むという感覚が必要だと思っています。

◆ferret アクティビストのような人材を企業が育てていくということが必要になってきますね。

◆木村氏 まず、個人の力を高めていくことが大事ですね。そして、それに対してきちんとした収入が得られるようになることがもっと重要だと思います。

たとえば、すごい結果を出しているのに適切な収入がなかったら、他人に対して優しくなれません。どうしても厳しくなってしまって、気持ちよく仕事をさせてあげられない。結果を出しても収入が上がらなければ、もっとやらないといけないという気持ちばかりが先走ってしまい、自分だけでなく周囲に対しても同じことを強要するようになってしまいます。

まず企業としては、結果に対して適切な収入を与えてあげること。そうすることで、次の段階に成長させることができるのではないでしょうか。

◆ferret 企業が考え方自体を変えないといけませんね。

◆木村氏 兼業や副業を認めたほうがいいのかなとも思います。ブログで記事を書いたり、Googleアドセンスで収入を得たりということをやれば、その人は給料のほかに収入が上乗せされるわけです。

企業からすれば、雇用予算を捻出しなくてもいいんだからラッキーだと思うんですけどね。まさに、僕がそういう感じです。僕の個人的な活動に関しては、会社はノータッチですから。

欲しい人材は「強欲でナルシスト」。ビジョンを持っている人だけが周囲を引っ張っていける人になる

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◆ferret 木村さんは美容師という仕事を中心にさまざまな仕事をされていますが、人材の採用についてはどうお考えですか?

◆木村氏 僕は、air GROUPの人材採用の情報伝達はしますが、面接には関わっていません。個人的に欲しい人材という話でいえば、強欲な人ですかね(笑)。最近は消極的な人が多いので、欲深い人がいいかなと思っています。自分のことだけを考えるタイプですね。

そういうタイプの人は、結局は他人のことを考えているから自分の欲が生まれるんです。強欲でナルシストな人は、自分がどうなりたいかのビジョンを持っています。ビジョンがあればプロセスを描けます。

一番困るのは、何もビジョンがない人ですね。何もないからプロセスが描けない。プロセスが描けないから、ただ毎日を無駄に過ごしているんです。そういう人を導いてあげることは難しいですよね。

自分のことだけを考えていて欲深い人というのは、他人も引っ張ってくれる求心力のある人間になっていく可能性があるので、そういう面で欲しい人材ではありますね。

◆ferret それは美容師という職業だけではなく、ほかのビジネスでも求められているかもしれませんね。最後に、これから木村さんはどういう風に仕事をされていきたいですか?

◆木村氏 air GROUPを辞めて独立するということは考えていません。周囲からは言われることが多いのですが、辞める必要がないんです。収入的にも十分ですし。

現在は仕事以外のことをやりたいので、会社には時間が欲しいという話をしています。今のパフォーマンスを維持したまま、週休3日にしたいということを言っているんです。実績さえ出せば、会社も前向きに検討してくれます。

ただそれは僕のわがままだけではわだかまりができてしまう。それは嫌なので、会社と話し合って理解を得た上で、自由な時間を作っていきたいと思います。

Marketer’s Story Interviewee

Interviewee

air/LOVEST ディレクター・IT Dept.Manager

木村 直人(きむら なおと)

略歴:ヘアカラーのスペシャリストとして、モデルや芸能人などからも絶大な信頼を誇る。一方で非凡な企業家として顔も持ち、ヘアカラー剤の開発やWEBサイトのプロデュース、オンラインサロンの主宰など、業界内外に数々の仕掛けを打ち出し続けている。

株式会社エアーエンターテイメント http://www.air.st/


次回、 Marketer’s Story 第9回目は、株式会社プレスラボ カツセマサヒコ様に登場いただきます。次回もお楽しみに!

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