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”IT×スポーツ" を合言葉にB.LEAGUEの人気に火をつけたい!目指すはアメリカのプロバスケットボールリーグ NBA  B.LEAGUE 北川峻氏

Webマーケティング総合サイト『ferret』と、総合転職情報サイト『マイナビ転職』が協同で立ち上げた、未来の若手マーケターを応援するサイト「Marketer’s Story(マーケターズ ストーリー)」。

こちらでは、現在『成長する企業』『注目を集めるサービス(プロジェクト)』で活躍するマーケターのインタビューをご紹介。具体的な業務内容や取り組み、普段垣間見えないパーソナルな部分を”生の声”としてユーザーに届けることで素顔に迫ります。

第5回目は、今年9月22、23日に国立代々木競技場 第一体育館(東京)で開幕戦が行われた"国内最高峰のプロバスケットボールリーグ"「B.LEAGUE」の縁の下の力持ち、公益社団法人 ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(以下、B.LEAGUE)事業本部 マーケティング部の北川峻氏にインタビューを敢行しました。現在マーケティング担当として、全36チームの(試合)集客やファン獲得に関わる施策の企画立案という重要な役割を担う北川氏に、これまでの経歴とB.LEAGUEに入社して開幕戦を迎えるまで、さらには現在、未来について話を伺いました。  

自分を育ててくれたバスケットボール。もっと多くの人に、その感動・興奮を伝えたいという気持ちが転職へと突き動かした

◆ferret編集部 (以下、ferret)  まず初めに、北川さんのこれまでの経歴を教えてください。

◆B.LEAGUE 北川峻氏 (以下、北川氏)  静岡大学卒業後、東海エリアを中心に地域に根ざした情報を発信する「株式会社しずおかオンライン」という出版社に入社しました。入社後は営業部に所属し、住宅雑誌の広告枠を工務店やハウスメーカーに営業することを主業務としていました。3年目には支社長という立場で10数名のマネジメント業務も担っていました。

入社から4年が経ち、マネジメント業務にも自信が付いてきた頃、『東京でひと花咲かせたい。もっと成長したい』という思いから、しずおかオンラインを退社して2014年6月に株式会社リブセンスに転職しました。

リブセンスでは不動産情報サービスの営業担当として入社し、その後キャリア事業部に異動。キャリア事業部では、Webを通じて取得した膨大なデータから現在ニーズがありそうな顧客(企業)の抽出や、商品企画などを担当していました。このリブセンスでの経験は現在のB.LEAGUEの業務を行う上で重要な糧になっています。

◆ferret 当時はWebやマーケティングに関する知識が決して高くない状態だったと思いますが、どのように克服されたのでしょうか。

◆北川氏 Webに関する知識も、マーケティングに関する知識も全くありませんでした。そのため、毎日先輩たちを捕まえて質問させてもらったり、オススメの書籍などを聞いて知識習得に努めました。

◆ferret そして2016年1月にB.LEAGUEへ転職。その決断理由は何だったのでしょうか。

◆北川氏 B.LEAGUEへの転職理由は、自分を育ててくれたバスケットボールへ恩返しがしたいという想いからでした。

両親がバスケットボールをしていたこともあって、私を含めて兄も姉も小学生からずっとバスケットボール部に所属していましたし、物心付いた頃から身近にあり、常に生活の中心にありました。

ただ、社会人になってからは仕事が忙しく、バスケットボールからしばらく離れている時期がありました。リブセンス在籍時にB.LEAGUE発足というニュースを知り、もちろん地元に国内初のプロバスケットボールチームができるということもありましたが、今まで以上にバスケットボール熱というのがこみ上げてきました。「バスケットボールに関わる仕事がしたい」という想いが強くなりました。

そして、2015年年末に見つけたのが2016年9月に開幕するB.LEAGUEで人材募集している記事(情報)で、素直に「これだ!」と思いました。 

全36チームが獲得した顧客に紐づくデータをリーグも共同で管理。データを駆使して、集客・ファン獲得等の施策を熟考する

◆ferret 続いて、B.LEAGUEでの業務内容について教えてください。

◆北川氏 現在、私が所属するマーケティング部は部長とスタッフ5名という組織体制です。その中で、私が担っている業務はチケッティングやファンクラブの管理、Webサイトの管理・運営になります。

ちなみにB.LEAGUEに入社して初めて携わった業務が、各クラブとリーグで管理しているファンの属性情報や行動履歴等をデータ化して管理するシステム「ファンビジネスプラットフォーム」の構築でした。

ファンビジネスプラットフォーム内のデータは開幕戦のチケット発売以降、来場したお客様がチケット購入時に入力した情報や、各クラブのファンクラブ会員の情報などが日々蓄積されています。このデータを分析し、様々な関連性などを見つけ出して、今後のプロモーションをどう仕掛けていくのか、どのようなエリアに、どういう年齢層の方に営業していくのが望ましいか、など取得したデータは戦略を練る上で必要不可欠です。

記憶に新しいところでいうと、同様の手法で集客やファン拡大に成功したのが『横浜DeNAベイスターズ』です。ただ、今回のように"クラブ側とリーグが一体なって同じデータベースを共有して施策を"というのが仕組み化されたのはB.LEAGUEが初となります。

◆ferret 入社早々から重要な任務に就かれていたのですね。

◆北川氏 データベースが準備できたことで、データを武器に各クラブ運営により濃密な情報をもとに企画提案できるようになり、改めて重要なミッションだったと理解しています。

◆ferret 現在、担当するチーム数を教えてください。

◆北川氏 私が担当するのはB1とB2の全36チームです。リーグ側のメイン窓口として各チームの担当者とやり取りしています。関係者と密にコミュニケーションを図り、集客・認知拡大に向けた提案等をしています。

◆ferret 各地域によって得られるデータというのは異なってくるものでしょうか。

◆北川氏 関東を拠点としているチームと地方のチームを比較するとだいぶデータに違いがあります。

例えば、関東をホームタウンにするチームと秋田にある秋田ノーザンハピネッツを比較すると、お客様の年齢や世帯体系など様々な面で異なることが見えてきます。関東の方は20台半ばぐらいの男女が多いのですが、秋田では年配の方が多く、営業展開の際には同じ手法では通用しない可能性があります。その他にもデータから来場する方々が「どの地域に住んでいるのか」という情報も得られるので、営業強化すべきエリアの特定もできます。

起案したB.LEAGUE開幕戦限定「カウントダウン・プレミアムチケット」が話題に!責任感の大きさをモチベーションに挑戦を続ける

◆ferret 普段、業務に取り組む中で失敗談などありますでしょうか。

◆北川氏 全てが順風満帆というわけではありません。B.LEAGUEとしては初年度の来場者数を"年間170万人"というのを掲げています。しかし現時点では達成が厳しい状況です。バスケットボールは常に室内競技ですが、天候が思わしくなければ来場が鈍ります。

そこで来場者増加への対策の一つとして、B.LEAGUEでは一般にかなり普及したスマートフォンを活用し、来場チケットの"電子チケット化"を採用しました。これはチケットを紙ではなくデータとしてスマートフォン内に取得して、それを入場時に掲示してもらい、電子スタンプを打つというものです。

こうした情報に関しても、データをもとに様々な対策・施策を練ることで改善の道が開けてくるはずです。今後も諦めずに果敢にこうしたチャレンジや新しい取り組みを続けていきたいです。

◆ferret 入社されて1年が経過。新たにやりたいことなど見えてきましたでしょうか。

◆北川氏 スポーツ全般に共通することかもしれないですが、日本のバスケットボール自体は非常にアナログな世界です。まだまだ学んでいる身ではありますが、そこにWeb・ITのエッセンスを取り入れて、「IT×スポーツ」というような取り組みをしていきたいと考えています。

実際、ファンビジネスプラットフォームでリーグと各クラブの間で同じデータを保管していますし、そこから両者がスムーズに連携を図ることでB.LEAGUE、はたまた日本のバスケットボールファンの拡大につなげていきたいです。

そこで1点、新たな試みで9月22日の開幕戦のプロモーション時に採用された施策がありました。それが「カウントダウン・プレミアムチケット」(下記画像)です。何年、何十年と経った後、このチケットを見て歴史的な開幕戦を思い出してもらえるように、「一生の記念となり、形に残るもの」をコンセプトに企画しました。

 

▲B.LEAGUE 開幕戦 限定の「カウントダウン・プレミアムチケット」 ※B.LEAGUE6月24日のリリースより▲

このカウントダウン・プレミアムチケットは反響が大きく、多くのメディアで取り扱っていたこともあり、「自分の施策がB.LEAGUEにも影響を与える」ということを実感しました。改めて責任の重い業務を任せてもらえていることに喜びを感じましたし、"リーグ初年度の開幕戦"というメモリアルなタイミングでバスケットボールの発展に貢献できたことが本当に嬉しかったです。

これからも全36チームと上手に連携を図って、各チームの要望に応えられるようなプラスになる提案をドンドンしていきたいです。

◆ferret 北川さんが業務をこなす上でモチベーションとしているものは何でしょうか。

◆北川氏 それでいうと、SNSのフォロワー数の増加というのが一つあります。
私が入社した当時は、SNSのフォロワーは少なく、『このままだとチケット販売の情報を1,000人程度にしか拡散できないのでは」という危機的状況でした。

そこで、この状況を打破するために投稿数を増やしたり、SNS広告をスタートさせたり、さらには動画投稿をスタートさせるなど積極的に活用しました。結果的にフォロワー数を一気に40,000まで伸ばすことができました。(2016年12月22日時点でフォロワー数は290,520)

あとはフォロワー数同様に定量的なものですが、各競技場における観客動員数です。特に開幕節での各クラブの集客が昨対比197%と約2倍になったことは相当嬉しかったです。

「IT×スポーツ」をキーワードに挑戦を止めない!B.LEAGUE、日本のバスケットボールの発展に貢献したい 

◆ferret 今後の北川さんのビジョンについて教えていただけますでしょうか。

◆北川氏 B.LEAGUEへの転職は私自身にとって大きなチャレンジでした。

「今まで培ってきたものをプラスに変え、それらをクラブの成長、自身の成長につなげたい」

この思いから今までの営業職とは異なるマーケティング職に挑戦することを決めました。新しい知識を吸収することは重要です。厳しく、辛いことも多いですが、それ故に何かをやり遂げた後の達成感は想像以上にあります。それを味わうためにも積極的に何事にもトライしたいです。

わかりやすいところでいえば、今回のファンビジネスプラットフォームがその一例です。リーグ、各クラブが共有することで、クラブ単位ではなく、リーグもクラブと一緒になってムーブメントを起こそうという動きをとることです。その上で、もっとファンビジネスプラットフォーム内のデータを活用してB.LEAGUE、日本のバスケットボール界に貢献していきたいです。そういう意味で「IT×スポーツ」というキーワードが重要になるのではと思っています。

◆ferret さて最後の質問になります。北川さんにとって"マーケティング"とは何でしょうか。

◆北川氏 コンテンツそのものの魅力を求めている人に届けられるのがマーケターだと思っています。マーケターの腕次第でその伝達経路を如何様にもできますし、上手く訴求するという重要な任務を課されています。

「Webサイトもそうですが、実際に会場に足を運んでくださった方々がどのようにしたらリピートしてくれるのか」

だからこそ、お客様・ファンの方々との関係を維持していくためのマーケティング活動、つまりリテンションが重要だと痛感しています。もちろんモデルケースは、バスケットボールの本場、アメリカのプロバスケットリーグ『NBA』です。NBAでもB.LEAGUEが採用したように顧客データをもとにマーケティングを行っていて、それをリーグが各クラブ単位でフォロー等をしているようです。

いつかは、本家であるNBAが真似たくなるような「IT×スポーツ」ならではの施策を企画・実行したいです。その上で、もっとB.LEAGUE、日本のバスケットボール界を盛り上げていきたいです。

Marketer’s Story Interviewee

B.LEAGUE(公益社団法人 ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)事業本部 マーケティング部
北川 峻 氏(きたがわ・しゅん)

静岡大学卒業後、東海エリアを中心とした地域情報の出版社「株式会社しずおかオンライン」に入社。入社当時から営業部に所属し、住宅雑誌の営業(工務店とかハウスメーカー)として浜松エリアを担当。その後、2014年6月に株式会社リブセンスに転職し、法人営業の立ち上げに参画。そして2016年1月にB.LEAGUEに入社。現在は、マーケティング部において、チケッティング、公式Webサイト、ファンクラブの運用を担当。

B.LEAGUE(公益社団法人 ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ) https://www.bleague.jp/


次回、 Marketer’s Story 第6回目は、株式会社メドレーのCLINICS事業部 マーケティング/セールス統括責任者 田中大介様に登場いただきます。次回もお楽しみに!

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ライティング:高野大寿

ライティング:高野大寿

Webマーケティング事業部 ferretディレクター。出版社・編集プロダクションにてスポーツを中心とした雑誌・Web媒体の編集・記者を経験。その後、法人企業向け営業支援会社、Web制作会社等にてWebディレクターを務め、株式会社ベーシック入社。「ユーザに寄り添った情報発信」をモットーに編集・執筆に従事。

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