「マーケティングは主役ではない」MERYの圧倒的な成長を支える立役者 有川鴻哉氏

Webマーケティング総合サイト『ferret(フェレット)』と、総合転職情報サイト『マイナビ転職』が協同で立ち上げた、未来の若手マーケターを応援するサイト「Marketer’s Story 」。

こちらでは、現在『成長する企業で』『注目を集めるサービス(プロジェクト)で』躍動するマーケターにインタビューを行ってまいります。ユーザーに活躍するマーケターの業務内容や取り組み、そして普段垣間見えないパーソナルな部分を”生の声”として届けることで、ユーザーのモチベーションアップ、向上心を掻き立てる存在になれればと思っております。

第2回目となる今回は、2012年4月のサービスの立ち上げから急成長をみせ、月間利用者数が現在2,000万人を越えるキュレーションプラットフォーム「MERY」の運営会社、株式会社ペロリのクリエイティブ部 部長 兼 SEO部 部長の有川 鴻哉氏に話を伺いました。

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MAU2,000万のキュレーションプラットフォームを支える若きリーダー​

◆ferret(以下、ferret) まずは有川さんの業務内容について教えてください。

◆ペロリ有川鴻哉氏(以下、有川氏) 私が担当しているのはクリエイティブ(デザイン)と、SEOです。クリエイティブに関しては、Webやアプリだけではなく、テレビCM、雑誌などのオフライン施策も含め、あらゆるものに携わっています。SEOに関しては、メイン担当という立場で、現在も実際に手を動かして作業しています。

どちらの部署も2014年4月のサービス発足当初は潤沢に人員リソースがあったわけではありませんでした。なので、その当時は各自がそれぞれの役割を全うする、というスタンスでやってました。ただ、同年10月のDeNAの傘下に入ってからは、その点が徐々に改善されていきました。サービスが成長していく過程で、人員体制を整えられたことは非常に大きかったです。その甲斐あって、今は抜群のチームワークで安定稼動するチーム体制を築くことができましたし、クリエイティブに関しては自ら手を動かす機会が減ってきてます。SEOに関しては、今のトレンドを押さえておきたいという思いもあり、今でも自分で調べたり、施策を打ったりしています。

◆ferret 具体的には、双方ともにどのようなことをしているのでしょうか。

◆有川 クリエイティブ業務は、チームとしてどういう成果を出すのか、会社の事業のどこから手を付けるべきか、どのようにしてデザインを作っていくのかを考えて、チームメンバーの業務に落とし込んでいくことが役割となってます。

SEOに関しては、自分で手を入れているところもあります。ただ基本的にGoogleの動きも激しいので、トレンドをひたすら集めることにも時間を使っています。SEOは分析チームと連携して行っているので、実施した施策の結果をすぐに把握できるような体制を築いています。

◆ferret 続いて、株式会社ペロリに入社するまでの経歴について教えてください。

◆有川 Web制作は、高校時代からやってました。もともと幼い頃からモノづくりが好きで、特に新しいモノを作ることにハマってました。高校入学前後から、自宅にあるパソコンでWeb制作を見よう見真似でやってましたし、気付くとフリーランスとして活動していた感じです。

フリーランスとして活動していた時は数社のWeb制作、デザイン作成、SEOのコンサルティング業務がメインでした。それに、自ら小さなサービスを開発してました。とにかく、わからないことが出てくるとコツコツと知らべて、基本は独学でした。

インプットする情報量は他の人と比較してかなり多いほうだと思います。SEOに特化した知識だけではなく、ジャンルは多岐にわたります。業務で活用できるかは考えず、「いつか使えるかも」という思いで、とにかく気になった情報はTwitterを通じて吸収してました。そのスタンスは今でも変わらないですね。

自分らしさを発揮できる環境で、最高のサービスとチームを牽引!

◆ferret なぜ株式会社ペロリに入社をしたのでしょうか。

◆有川 当初、ペロリ(MERY)の業務には外部の人間として携わっていました。時期としては、MERYが立ち上がる前になります。今の役員である中川綾太郎氏(代表取締役)と河合真吾氏(取締役)、そして私の3人だけでした。

当時の私の担当は、今とそれほど変わりませんが、デザインとフロントエンドの実装まわり、SEOまわりでした。その業務を数ヵ月間続ける中で、『自分としても中に入ってやったほうが楽しいかな』という思いが少しずつ芽生えてきたんです。それがきっかけで入社を決意しました。

正直なところ、当時は自分のサービスを立ち上げようか悩んでいる時期でもありました。ただ、メンバーと一緒にMERYを作る過程で、「今すぐに、このチームを超える組織は作れないな」と感じました。特にMERYでは、自分らしさというか、自然体になれる空気感がありました。

あと何しろ、これまでにも小さな企業で勤務した経験はありましたが、MERYを通じて「ゼロベースから作り上げる」という経験をできたことは本当に貴重だと思います。会社と一緒に成長できていることを実感できますし、やりがいを感じられたことも入社したいという思いを後押ししたのかもしれません。

◆ferret ちなみに、その当時「女性向けメディア」を立ち上げようとしたのはなぜでしょうか。

◆有川 MERYの構想を練っている当時は、純粋にWebコンテンツとして「女性向けのファッション」に関するメディアというのがありませんでした。そこにビジネスチャンスがあると思ったわけです。ユーザーにもニーズがあることは明確で、女性向けのファッション誌は種類が豊富で、販売部数が落ちてきているとはいうものの、その背景には多くの読者がいたわけです。

ユーザーやニーズが存在するのに、Webメディアがないことにすごく違和感をもってました。不思議でした。ニーズがあるのに、情報が供給されていない感じがありましたし、だからこそユーザーのニーズがマッチすれば、間違いなく伸びるサービスになるという自信もありました。

あと、今でこそメディアという言い方をしてますが、元々はメディアというよりは、「ファッション誌を分解して情報を届ける」という程度のニュアンスで考えてました。何気なく興味があるものを見るうちに、例えば「この服可愛い」だとか、「このお店面白そう」「この場所行ってみたい」とか、新しいものとの出会いというのをWeb上で再現したいと考えてました。「モノと出会う世界」の創出をコンセプトに、メディアという枠に縛られないようにしようと思ってました。特定のブランド、メーカーが好きというユーザーにヒアリングして、そのブランドとどういったところで出会ったのかなどもリサーチしていました。

当初動画とか画像をメインとしたメディアというのも考えてました。でも、戦略という面で『SEOをメインにマーケティングを展開』していこうと考えていたので、まずはテキストベースのメディアを準備することにしました。これが今のMERYが築かれる上で大きな決断だったのかもしれないです。

◆ferret MERYにおけるマーケティングのお話を聞かせてください。

◆有川 MERY立ち上げの時から、"サービス自体にはユーザーから高いニーズがありそう"という印象を持っていました。そこで当社の目論見としては、より多くのユーザーに閲覧してもらう、活用してもらうということが最大の目標でしたし、当時はスタートアップでお金が無く、有料の施策というのは制限があったので広告等は一切出稿してませんでした。だからこそ、SEOに注力したわけです。コンテンツが集まる仕組み自体は上手く構築できましたし、あとはユーザーにどのように届けていくかを実現することが私の主業務でした。

サービス立ち上げから1年半、2年弱ぐらいはそのような業務がメインで、ちょうどそのぐらいのタイミングでDeNAから支援を受ける形となりました。

DeNAと一緒にやり始めてからは、資金や人材の部分で大きな支援を受けることができたので、アプリ開発にも注力しました。そして、アプリリリース後は、SEOで集めていたWeb側のユーザーをアプリに誘導し始めました。アプリが順調に立ち上がるタイミングで取り組んだのがテレビCMです。これまでMERYに触れることがなかったユーザーとの接点を作ることができました。

最近ではチャネルも増え、直近でいうと雑誌を発売しました。マーケティングという観点からしても様々なチャネルが存在し、それに応じてチャレンジの種類も規模も増大していて、本当に楽しいですよ。

◆ferret ちなみに、MERYのコンテンツの特徴についてお話をきかせてください。

◆有川 MERYの初期の頃、美容師の方にサービスを利用いただける機会がありました。ヘアカットする様子をカメラで撮影して記事にまとめたり、美容師さんがヘアアレンジの方法を教えてあげるコンテンツでした。これが結構好評で、どんどん書いてくださる美容師さんが増えていき、コンテンツの供給に関しては良い循環が生まれました。そして、その記事をユーザーが見て、ファンになり、再来訪する、という書き手と読み手がつながっていくような連鎖反応ができました。

その結果、美容師の方だけではなく、一般の方も投稿してもらえるようになり、それが結果的にかなり認知されていきました。「『MERY』で記事を書くと結構いろんな人に見てもらえるらしい」という口コミも漏れ聞こえてくるようになりました。

失敗が次なるステップの糧に!だからマーケティングは楽しい

◆ferret Webからアプリに注力した点についてのお話を聞かせてください。

◆有川 昔から目標数値に関しては、ずっと強気に考えている節があり、『1年ぐらいで1億PVとか行きたい』と突拍子もないことを口にしてみたのですが、実際ふたを開けてみると意外とすんなりとクリアしてしまいました。

毎日『MERY』と検索して来訪してくれるユーザーが数万人。正直、ファンの方はそれなりにいる状況だと思ってます。

うちの会社はスタートアップなので、当初は事業計画をバシバシたててというよりは、制作したものを世に出して、その反応をみつつ、どれくらいまで伸ばしていけるかを後から創造していく形のやりかたをとるケースが多く、それはアプリをリリースする際も同様でした。

一旦、アプリが完成したタイミングから数ヶ月間ぐらいはクローズドの状態でした。アプリストアでMERYと検索した人だけが使える状況で。というのも、初めは試験的にスタートして徐々に機能を改善していく方針をとってました。そうした期間を挟み、だいぶ品質的に向上してきたタイミングで「Webからアプリ」への誘導を本格的に始めました。

結果的に、ユーザーの方にもアプリのMERYが浸透し、受け入れてもらいました。もちろんアプリの品質には自信をもってましたし、ユーザーにもかなり良い評価をもらうことができ、自分たちの方向性も間違っていないという想いを持つことができました。スマートフォンが普及した今だからこそ、毎回検索を通して来訪してくれていたユーザーにもっと身近な存在としてMERYを使ってもらえるようにしたかったんです。

その他にも様々なチャネル施策にも注力していくようになっていきました。それがマスメディアを活用した施策です。テレビCMについては、『CMでみたやつだ!』とMERYを使い始めてくれるユーザーもいて、その方たちの集客を考慮してWeb側の強化も引き続き図りました。

◆ferret 雑誌版「MERY」については、いかがでしょうか。

◆有川 私の印象としては、他の女性ファッション誌のWebコンテンツの内容は、雑誌に掲載されている情報だけが"データ"として蓄積しているように感じてました。ただMERYは、そうした情報だけではなく、ユーザーの行動や、一つひとつの記事に対して、どのような要素が入って、ユーザーがどのようなものを求めて見にくるのか、という情報を収集できている点が強みです。

他の雑誌と比較してもMERYとしての特徴・強みというのを色濃く発揮できると感じましたし、ユーザーのために面白いものを作れると感じました。それが雑誌「MERY」誕生の一歩でした。

MERYは、ターゲットユーザー層も他の雑誌と比較しても広いですし、Webもアプリも好調でしたし、実際に読者からの反応もよく、ユーザーから「MERY大好き」という内容のコメントが寄せられるので、ユーザーに受け入れてもらえる自信を持ってました。結果的に、ユーザーから反響がありましたし、雑誌を置いてもらっている各書店等でも大きく扱ってもらえ、もっともっと良いものを作りたいという想いが、さらに強くなりました。

◆ferret 普段の業務で、やりがいに感じることは何でしょうか。

◆有川 もちろん数字が伸びていることを体感できるのは嬉しいです。「もっと頑張ろう!」とテンションも上がります。あと、僕自身、このマーケティング業務というのは、失敗がマイナスではないところが魅力だと思っています。施策に取り組んでみて上手くいかないとしても決してマイナスではなく、もちろん想定した結果が得られなかったことはマイナスかもしれないですが、次なる施策を考えられるようになる意味では大きな成果でもあります。そういうところが面白いですよね。

原因不明で分析もできず、という失敗ばかりですと厳しいですが、原因が分かった上でしっかりと分析することができれば、「こうすると上手くいかない」というナレッジがたまるので、むしろやりがいになります。

◆ferret 今後の展望についてお聞かせください。

◆有川 MERYに関しては、お陰様で多くの方にご利用いただいています。今後も引き続き、もっとユーザーの方に活用いただけるように努めていきたいと思ってます。

今はWebだけの世界観、アプリだけの世界観とユーザーとの接点がオンライン中心ですが、今後はオフラインにも注力していきます。ユーザーとの接点を増やしていきたいですし、これまでのユーザー層から、さらに幅広い層へとアプローチしていきたいと考えてます。

より多くの方々に見てもらえる、必要としてもらえるプラットフォームにしていきたいですし、チャネル施策についても、Web、アプリ、雑誌とやってきましたが、今後もいろいろとチャレンジしていきたいです。

◆ferret 最後に「Marketer’s Story」を見ているユーザーにメッセージをお願いします。

◆有川 これは主観ですが、如何なる業務においてもマーケティングが主役になることってないと思っています。マーケティングだけが前面に出るようなものはユーザーにも響かないと思いますし、見ているユーザーにとっても楽しいものにはならないはずです。あくまでも脇役でいながらも、きちんと主役を引き立ててくれる、それがマーケターの役割だと思っています。

良い物を作っていても多くの方々に見てもらえないと事業としても上手くいきません。ターゲットが誰なのかを理解し、それをきちんとその方々に届けることで、その業務に携わった方の成果が報われる状態にするものがマーケティングだと思っています。

私自身も、そういった部分にマーケティングという業務の魅力を感じています。今後も、新しいもの、興味を惹かれるものに触れていき、MERYとともに成長していきたいです。

Marketer’s Story Interviewee

株式会社ペロリ クリエイティブ部 部長/SEO部 部長

有川 鴻哉(ありかわ・こうや)

1992年生まれ。東京都出身。高校卒業後、フリーのWebデザイナーとしてスタートアップ数社のサービス立ち上げに携わる。創業時の2012年からペロリにジョインし、デザインやSEO周りを中心としたマーケティング業務全般に従事。わずか4年で、現在MAU2,000万を越すまでに成長した「MERY」の急成長を支えるコアメンバーの一人。

現在は、新たなチャネルを活用したマーケティング施策を模索し、自らの興味を惹かれるものに触れて、自分が好きなものを通じて、世界から認められたいと将来を見据える。

株式会社ペロリ http://peroli.jp/

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ライティング:高野大寿

ライティング:高野大寿

Webマーケティング事業部 ferretディレクター。出版社・編集プロダクションにてスポーツを中心とした雑誌・Web媒体の編集・記者を経験。その後、法人企業向け営業支援会社、Web制作会社等にてWebディレクターを務め、株式会社ベーシック入社。「ユーザに寄り添った情報発信」をモットーに編集・執筆に従事。

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